File22:ガスコッキングシステム1 〜VFCボルトキャリア〜
家撃ち用にWA M4のガスコッキング仕様のボルトキャリアを作った話。
またボルトキャリアの換装だけでブローバック/ガスコッキングに切り替えられる様にしている。
話を進める上での前提としてガスブローバックをガスコッキングにするポイントは、
1:バルブロック機能を無効にする。
2:シリンダー側のガスルートをふさぐ。
3:創意工夫で確実安全にパワーダウン。
の3点
1を怠ると1発でガスが全部出てしまう。
2を怠るとプチブローバックする。
3を怠ると手が後ろに回ってしまう。
まずはガスコッキング用にと買ったVFCのボルトキャリアの紹介から。素材は亜鉛。
計画段階ではガスコッキング様にWAの完全互換?(中国製なので寸法があやしい)AABBの安いボルトキャリアを使おうと思っていた。
が、最近VFCがガスブローバックM4のボルトキャリアの単体売りをし始め、
しかもその作りと値段から求めていたのはコレだと勢いで購入した。
写真がそれ。
ローディングノズルはVFCにWAのノズルを着けるとややキツイがほぼ互換設計になっていた。
なのでローディングノズルはWAのものを使う。ガスコッキング用ローディングノズルの加工については後述する。
矢印の部分はWAのガスブローバック用と比べ1〜2mmくらいか少しへこんでいる。
ただしローディングノズルを入れた状態でのローディングノズルの出具合は同じなので、
VFCの方がシリンダーの底が薄いのだと思う。
ここはハンマーが当たる部分なのでブローバックとして使うなら不具合が出るかもしれない。
しかし今回はガスコッキング。その部分にはもとよりハンマーの音を小さくする様にゴム(アルファゲル)を貼ろうと考えていたので問題なし。
裏側。
VFCのガスブローバックM4はWAのフルコピーではなく半コピーで、
オリジナル要素としてバルブロックをロアレシーバーに搭載している。(WAはマガジン)
おそらくはハンマーの角度で制御していると思う。なのでボルトキャリア側にはバルブロックを制御する溝が掘られていない。
つまりVFCのボルトキャリアを使えばはじめに書いたポイント1を無加工でクリア。ばんざい
ただWA M4の相違点としてVFCはリアルサイズであるという点もある。のでボルトキャリアが少し長い。
リアルサイズのレシーバーを使うのならそれもいいが、今回はWA M4純正樹脂レシーバーを使うため長い分カットしてやる。
結局無加工では使えなかったのでした。
左側のキタナイ方がWA。
使い古してボロボロというのもあるが作りとしてもVFCの方が細かく綺麗だった。
VFCの方で唯一微妙な点はボルトストップにかかる部分にスチールなりの補強がされていない。
WAのはSVから鉄で補強されている。当然ボルトストップ側も鉄の部品が付けられている。
なので補強してみた。
穴を10mmほどあける。
肉が薄くビビリモードで、はじめはピンバイスで穴をあけ、6mm辺りからルーター。なんでやや歪。
その穴よりやや太い鉄の釘を気持ち程度に焼き入れをして、同じく10mmにカット。
正確に言うとやや太い釘と言うより、この釘に合わせてやや細いドリルの刃を使ったのだが。
圧入。手であけた穴の入り口が少しガタガタなので気持ちオートウェルドを穴に塗った。
釘が少しはみ出た部分は軽くやすって整形したが、今回はガスコッキングなのでローディングノズルは一切動かない。つまり意味ない。
もう少し書くとガスコッキングなのでボルトストップにもたいした負荷がかからず、わざわざ補強する必要もなかったりする。
んでポイント2のシリンダー側のガスルートをふさぐ。加工。
シンプルにフローティングバルブガイド(カップ状のアレ)を適当に切り出したゴムと変え塞ぐ。
写真に写し忘れたがそのゴムをGCバルブスプリングのテンションをかけておく。
(ピストンの底上げが必要)
その意味は想定外の高圧になったときそのゴムがバルブとなり開き、
シリンダー側にガスが逃げる様にと言う安全面的な意味。
ノーマルのブローバックエンジンでのガスコントロールバルブと意味合いは同じ。
ただ通常のハンマースプリングで高圧のガスは叩けないはずなのでその効果が現れることはない。
フローティングバルブ/スプリング、ピストンOリングはいらないので取っ払う。
ボルトキャリアとの固定はローディングノズルの真ん中付近に3Mのやや厚での両面テールを張りその上をシーテープでグルグル。
円にはならないので上で書いた高圧になったときに流れるガスはここの隙間から排出される、はず。
ノズルガイドは付ける必要ない。
上のローディングノズルは新品で勿体なかったので、前に割って補修しまくリングな汚い物を使うことにした。
最後ポイント3のパワーダウン。
はじめにも書いたがほとんどのガスブローバックはバルブロックを無効にしただけでは、弱々しくブローバックする。
でポイント2の加工と相成るのだが、
そうすると今度は(弱々しくとも)ブローバックに使っていたガスが全てバレル側に行ってしまう。
初速が速くなってしまうのは目に見えているので試すまでもなくパワーダウンの加工が必須。
その加工はスタンダードな方法でノズルを絞った。
丁度ノズルもズタズタなのでアルミ外径6mmのパイプで新造兼強化し、その新造ノズルを絞る。
とっぽ状にノズルの片側からオートウェルドを押し込んでいって反対側まで到達したらテープで閉じこめて硬化待ち。
空洞にならない様に、そして蓋しないとタレて来ちゃうからね
とっぽ美味しい
でドリルで穴あけ。細いのから順に好みのパワーまで太くしていく。
パワーは上でちらりと写っているハンマーの衝撃吸収アルファゲルを外した状態でセット。
アルファゲルを着けるとその分パワーが落ちるので。パワーが一番高くなる点で調節してあげようって話し。
アルミのノズルの固定はローディングノズルに6mm穴をあけ、そのノズルをオートウェルドより接着力の弱い瞬間接着剤で付けた。
用は予期せぬ高圧でパワーダウンの絞りが飛ぶよりも前に、接着の弱いノズルが前進し弾ポロを起す安全策。
前にも書いたがそもそもそんな高圧では通常のハンマースプリングの力ではバルブを開けないのだが。念には念を
下側に穴あけたのはガスがBBの下を押し自然にHOP回転・・・ミスってやけくそになっただけです。すんません。
ガスコッキング1 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
初速[m/s] | 71.6 | 70.9 | 70.7 | 70.2 | 69.9 | 69.0 | 68.9 | 68.5 | 67.5 | 65.2 |
High [m/s] |
low [m/s] |
高低差 [m/s] |
平均値 [m/s] |
運動エネルギー [J] |
71.6 | 65.2 | 6.4 | 69.24 | 0.479 |
0.2gBB
室温 摂氏23度
マガジン表面温度 摂氏23.8度
室温23度で最大71.6mpsとハンドガンと同程度かそれよりやや低いくらいにセッティングした。
ブローバックボルトキャリアでも同じくらいの値にセッティングしている。
当然35度でも余裕で法規制値をクリアする。
以上の加工でひとまずガスコッキングボルトキャリアの完成。初速の低下が激しいのでそこがこれからの研究課題。
全ての加工がボルトキャリア側のみなので当然ガスブローバック用のボルトと入れ替えれば切り替え可能。
今回の目的である、夜の家で撃つとき一番問題な音もバッという感じの静かな音で、
サイレンサーを付けてやれば更に静音モード。
壁1枚で聞こえなくなるので夜撃っても大丈夫。
着弾音は結構するが。